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長岡いえまる

2015/06/20

EURO2015


今回のタイトルは「EURO2015」。
毎年のシリーズ化の予定はないですが、
昨年の2月以来、欧州視察再訪でした。

今回は日本CLT協会主催のツアーで、
業界関係者総勢30名ほどの大旅団。

設計・建築・木材等々官民学から様々なプロフェッショナルな
方々が集まるツアーでしたので、見学以外にも情報交換でも
様々なお話しが聞けるいい機会になりました。
到着翌日は現地木材の業界団体「proHolz」のセミナー受講。
今回ツアーに同行してくれた後藤さんと、
そのパートナー、ロベルトさんの紹介から始まり、
欧州での木材産業の先進性と産業の重要性について
お話しをいただきまた。

後藤さんは、もともと木材を専攻していて、
現地でも研究を続けている方なので、
専門性の高い業界ツアーでは、
もってこいの通訳で、ありがたいものでした。

翌日はウィーン郊外のショッピングセンター「G3」
昨年の欧州視察時に、バス運転手の大遅刻により、
予定をスキップされてしまった視察地です。
もちろん、買い物目的ではなくて建物視察ですね。














60,000平米の建物に8,000m3のCLT、
3,500m3の集成材が使用されています。
大きな曲面を描く屋根は、国内の大型工場で、
発注から短工期で製造・施工されたものだといいます。



CLT があらわしで使われているところもあります。
その規模の大きさに圧倒されながら、
日本でも近い将来こういった施設ができるだろうと、
ワクワクしてきます。


その帰り、たまたま近くにいらっしゃった
在オーストリア日本大使が、
我々を大使館に招待してださいました。
(予定にはないサプライズ招待でした)

 










庭園で、オーストリアの経済のお話を聞きながら
しばし談笑。
大使館の執事さんがリアル執事さん(当たり前ですが)で
気品の高さを増幅させます。
そんなこんなでホテルまでの帰路、アクシデントが起こります。
大型バスで入るべきではない狭い路地の続く
大使館周辺の道路。

路駐の車が障害になって、バスが角曲がれず大渋滞。
メンバー総出(若め、 体育会系体格者中心に)で、
人力レッカー移動。
日本でもまず体験することがないのも海外の醍醐味ですね。
バスの右にある小型車。欧州は総じて小型車が多いですね。













せっかくのオーストリア、木造ではなくとも、
夜の自由行動時間に歴史ある建造物も視察。

ウィーン中心地にあるシュテファン大聖堂。
世界遺産にも登録されています。
大迫力!!

同行者にお勧めされるがまま、
近くの駅跡までぶらり。

19世紀末の当時もっとも近代的と言われた
カールスプラッツ駅舎。
アールヌーヴォー建築です。













翌日はウィーンからバスを走らせ、グラーツの町へ。
木材の研究も盛んな「グラーツ工科大」を訪問。

 










構内には、大きな試験機が並びます。
大断面集成材でもお世話になってる曲げ試験機、かと思ったら
微振動を繰り返し与える振動実験機。












CLTを世に送り出した同大学の
シックホファー教授から
レクチャーを直接受けます。
いくらあっても時間が足りず、
ランチ時間も質疑応答が続きます。
通訳のゴトウさんは、食事もほどほどに
しゃべり続けてました。感謝です。












そしていよいよ午後から工場視察です。
まずはMMと呼ばれるメイヤーメルンホフ社

前回の視察時にMMの工場は見学しました。
きっと、世界最大と思われる大規模工場の
心臓部がこの事務所ですね。
社屋自体もCLTを多用しています。






外観画像じゃ少しわかりにくいですが、
建物奥側(実際は正面)が9mほど
オーバーハングになっています。












翌日は前日に引き続き、CLTメーカー訪問。
日本でもおなじみ欧州の巨人、ストラエンソ社の
レオンハルト工場。














担当者ならびに現地で大きなシェアを持つ
接着剤メーカーPURBOND社からのセミナー受講。
技術的な話でもりあがります。

製造工程は撮影NGでしたが、
グレード別に仕分けられた出荷待ち製品は、
じっくり検品させてもらいました。
製品サイズは3m×12m。大きいですね。












視察3日目は、いよいよCLT建築現場。
5階建ての福祉施設です。
1FはRC造。2階以上はCLTの壁床天井で
構成されています。

  
  










部屋ごとに工場組み立てしたユニット方式の現場です。
欧州でのCLT建築では、現場の施工性や費用の関係で
いくつも見られます。
この建物はCLTの特徴を生かしたキャンチレバーのバルコニーが
特徴的ですね。

 設計を担当した建築家の方から直接お話を聞かせてもらいました。
ガラスと木を重ねた演台もデザイン性が高い!!

 










視察の帰り道、 現地の方から
近くだから是非訪れるべきだ、と
勧められた予定外の教会視察。
Halleinという小さい町にある「Kirch Rif」

CLTと集成材で複雑な角度で構成された壁・天井が
荒木仕上げの化粧材の美しさもあいまって、
荘厳かつ幻想的な空気に包まれます。

 




.





突然の訪問にもかかわらず、牧師さん自ら、
建築時のスライドを持ち出しての説明会を
実施してくださいました。

 










その晩は、ドイツ入りしてBMW経営の
社員保養施設兼ホテルに宿泊。

マネージャーから建築時のミニセミナーを
聞かせていただき、
省エネ設備等のホテル内ツアーを
頂いた後で各自部屋へ。
こちらのホテルもCLT建築。
ユニット工法で建てられています。

ロビーを見る限り木造には思えませんね。













外観も木造っぽくないです。












内装は山小屋風の木質感たっぷりの
CLTあらわし仕上げです。











長崎のハウステンボスに建設計画が進んでいる
CLT造ホテルも内装はCLTあらわしだとか。
楽しみですね。


視察最終日に訪れた工場は、
林業からゼネコンまで手掛ける総合企業、
Zublin社の木造部門であるメルクティンバー社。

こちらは東大寺を抜いて世界一となった木造建築物、
スペイン・セビリアのメトロポールパラソルの
加工を行った企業です。(画像左、模型の一部)




最終日の晩はミュンヘンで現地での
旅の締めくくり。
お世話になった道先案内人の
ゴトウさん、ロベルトともサヨナラです。
  











余談ですが、ゴトウさんは、
東大出身で木造の研究を続けていますが、
兄弟3人とも同大学卒業とのこと。
お母さまが、子育てをブログで綴っていたら、
出版社の目に留まり、発刊しているそうです。
興味ある方は是非。

『なぜか3兄弟全員が東大合格!
「勉強しろ」と絶対言わない子育て』

 

帰国の途に就くバスの中から
ミュンヘンのサッカースタジアム
「アリアンツ・アレーナ」が目に留まりました。
2006年ドイツW杯の会場でした。
W杯直前にドイツ訪問した際に
興奮しながらその姿に感動した記憶がよみがえりました。

今ではブンデスリーガのバイエルンミュンヘン/1860ミュンヘンの
ホームスタジアムとして使われています。

 










今回のCLTの先進地オーストリア・ドイツ訪問で感じた事。

建築は非木造が欧州のこれまでの主流でした。
CLTの登場が中大規模の木造建築を現実にし、
その可能性は20階建て以上の計画が進んでいるほどです。

製造・施工する技術もそうですが、
生産地としての林業の意識の高さが、
建築につながっていることを多くの方のお話から感じました。

日本のCLTはこれから。
国産材の復権に向けて、CLTの可能性を日本でも
模索していきたいと思います。



日本CLT協会のページ http://clta.jp/

グラーツ工科大学のページ http://portal.tugraz.at/portal/page/portal/TU_Graz

proHolzのページ http://www.proholz.at/

G3ショッピングリゾートのページ http://www.g3-shopping.at/de/home

在オーストリア日本大使館のページ http://www.at.emb-japan.go.jp/jp/

Meyr-Melnhofのページ http://www.mm-holz.com/

Stora-EnsoのCLT紹介のページ  http://www.clt.info/

Klaszkleeberger社のKirche Rif紹介のページ
http://www.klaszkleeberger.com/projekte/rituelle-raeume/kirche-gemeinde.html

BMW Hotel Ammerwaldのページ http://s536146543.online.de/ammerwald/

メトロポールパラソルのページ http://www.setasdesevilla.com/?r=1&A=1366

アリアンツ アレーナのページ https://www.allianz-arena.de/en/

ZublinグループMerk Timberのページ http://www.zueblin-timber.com/



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